ダカールラリー

2015年8月31日 (No. PD16-5)

 


チャイナシルクラリー2015に初参戦
~ラリーモンゴリア2015の雪辱を誓う~

日野チームスガワラは、次回ダカールラリー2016で総合上位およびクラス7連覇を狙うべく、ラリーモンゴリアに次ぐ第二のトレーニングの場として、初めてチャイナグランドラリーに参戦します。

 

● ラリーモンゴリア2015、痛恨のマシントラブルでリタイア

日野チームスガワラは、1週間におよぶモンゴルでの自主走行トレーニングを行い、その後、万全の体制でラリーモンゴリア2015に挑みました。ゴール前日には他部門も含む全車トップに躍り出ましたが、最終ステージで痛恨のマシントラブルでリタイアとなりました。ドライバーの菅原照仁さんのコメントを紹介します。

■ ドライバー・菅原照仁さん
リタイアとなったが、車の仕上がりの良さを実感。すでにトラブルの対策は済んでいる。


ラリーの成績としてはリタイアとなってしまいとても残念でしたが、車の仕上がりとしてはかつてないほどの手応えを得ることができ、将来に向けてとても有意義な2週間となりました。今回のモンゴル合宿では、初めて販売会社のメカニックに帯同してもらい、スペアパーツを十分に持参し万全の体制で挑みました。
最近のダカールラリーではハイスピード化が進んでいるため、我々のチームとしてはエンジンもさることながらそれを受け止めるサスペンションの熟成と軽量化の推進、さらにはチームのソフト面の向上を狙い、今回のモンゴルに臨みました。これまではラリーモンゴリアの最中にテストをしていたのですが、渡航後の1週間は、限界ギリギリに設計した新しいサスペンションのテストのために重点的に走り込み、トライ&エラーを繰り返しながら、マシンとしてのセッティングを煮詰めてきました。その結果、従来に比べておよそ10%の平均車速の改善がみられましたが、このときの金属疲労の蓄積もあり、ラリーの最終日にリアのサスペンションが破損し、あえなくリタイアとなってしまいました。ラリーモンゴリア初のトラックでの総合優勝が目前でしたので、自分自身はもちろんのことチームメンバーもとても悔し思いをしました。ただ、これまでの活動はテスト走行を兼ねていたものの、あくまでラリーを完走することを重視していたため、積極的なテストがなかなか難しい環境でしたが、今回のような機会をつくっていただいたことで、耐久性を中心とした車両面はもちろんのこと、走りの部分でもタイム向上につながるトレーニングを実施でき、大きな成果を得ることができました。ドライバーとしても前回の車に比べて格段に乗り心地がよくなり、安心してアクセルを踏め、ブレーキを踏まずに悪路を走破できるシーンが増えてきました。帰国してすぐに日野の開発陣と会議を開き、耐久性の対策はすでに済んでいます。
ダカールラリーまであと4か月、みんなでしっかりやるべきことをやっていきたいと思います。

モンゴルの砂漠を走る日野レンジャー
 
セッティングを煮詰める菅原照仁さんとメカニック
草原に開かれたキャンプ地
草原を走る日野レンジャー
日没後も点検にあたる中村サブリーダー(日野自動車)
ショックアブソーバーを交換する坂口メカニック(九州日野)
菅原義正さんから指導を受ける外池メカニック(香川日野)
燃料配管を点検する近藤メカニック(静岡日野)
サスペンションを調整する田極メカニック(東京日野)

 

● チャイナシルクラリー2015に初参戦

日野チームスガワラは、2015年8月30日から9月11日までの13日間で約7,900kmを走破するチャイナシルクラリー(開催国:中国)に初めて参戦します。ラリーモンゴリアに引き続き車両の改良点のテストとドライバー・ナビゲーターのトレーニングの場として臨みます。ダカールラリーを含み年間3回のラリーに参戦することはチームの歴史の中で初めてとなります。

<チャイナシルクラリー2015 概要・参戦体制>

■概要  
期間: 2015年8月30日~9月11日
距離: 競技区間/2,205㎞ 移動区間/5,656km
開催国: 中国(西安~敦煌)
特徴: ダカールラリーの二輪・四輪部門での総合優勝を経験し、その後、大会の競技責任者となったユベール・オリオール氏(仏)が独立し、彼の呼びかけのもと「アジア最大のクロスカントリーラリー」の開催を目指し2013年に初開催。中国の首都北京から新疆ウイグル自治区手前の敦煌までを結ぶ10,000㎞のラリーとしてスタートしました。2015年大会は本格的に競技ができる西安をスタート地とし、シルクロードに沿って西進。内モンゴル自治区の南側に位置するテンゲル砂漠やバダイジャラン砂漠を超えて、新疆ウイグル自治区の東端のクムターグ砂漠を抜けて敦煌でゴールを迎えます。また、2015年大会から海外勢の招致活動を本格化させ、日野チームスガワラのほかに、ステファン・ペテランセルとシリル・デプレを擁するプジョーワークスチームが参戦します。

ルートマップ:

■参戦体制  
競技車両: 日野レンジャー2号車
乗員: ドライバー菅原照仁・ナビゲーター杉浦博之

車両スペック(括弧内はダカールラリー2015仕様)

  2号車
車両型式 日野レンジャー
車両総重量 7,300kg (7,600kg)
全長 6,370mm
全幅 2,500mm
全高 3,000mm (3,150mm)
ホイールベース 3,970mm
リアボデー メインフレームマウントパイプフレームターポリンボディ
●エンジン  
エンジン型式 A09C-TI (ターボインタークーラー付)
エンジン形式 ディーゼル4サイクル直列6気筒
総排気量 8.866L
最高出力/回転数 630PS [463.4kW]/2,200rpm
最大トルク/回転数 230kgf・m [2255.5N・m]/1,200rpm
燃料噴射装置 電子制御 (コモンレール式)燃料噴射装置
燃料タンク容量 700L
●駆動系  
駆動方式 デフロック前後付パートタイム4WD
クラッチ φ430mmシングルプレート
トランスミッション 6速ダイレクトドライブ前進6速後退1速 パワーシフト付
トランスファー Hi-Loレンジ切替付
アクスル ハブリダクションアクスル
●サスペンション  
スプリング 前後テーパーリーフスプリング
ショックアブソーバー コイルオーバーショックアブソーバー
ブレーキ ベンチレーテッドディスクブレーキ 対向4ポットキャリパー
タイヤ ミシュランXZL 14.00R20
ホイール 鍛造アルミホイール

 

●ダカールラリー2016年大会のペルー開催は中止

2016年大会は、ペルー・ボリビア・アルゼンチンでの開催が発表されていましたが、ペルーのエルニーニョによる影響で、同国での開催が中止となりました。新たなルートは9月中旬に主催者から発表されます。