ダカールラリー

2015年7月14日 (No. PD16-4)

 


ラリーモンゴリア2015に参戦
~販売会社メカニックを初めて派遣~

日野チームスガワラは、次回ダカールラリー2016で総合上位およびクラス7連覇を狙うべく、例年テスト走行の位置づけで参戦しているラリーモンゴリアに加えて、1週間の自主走行トレーニングを今回初めてモンゴルで行います。さらに、6月の選考会で選ばれた販売会社メカニックもモンゴルに派遣し、来年1月のダカールラリーに向けて、通常の業務では経験することのないラリー特有の整備技術の向上を図ります。

 

● 日野レンジャー2号車、シェイクダウン

7月2~5日にかけて日野自動車の茨城テストコースで、日野チームスガワラのメンバーと日野自動車の車両製作スタッフが、ラリーモンゴリアに参戦する日野レンジャー2号車のシェイクダウンを行いました。走行テストでは、前回のダカールラリーで初めて投入した総輪テーパーリーフスプリングとコイルスプリング付ショックアブソーバーの改良を確認しました。しなやかなサスペンションストロークを実現するために、抵抗となるリーフスプリングの板同士の摩擦を限界まで下げるべく、フロントは2枚、リアは1枚のリーフスプリングに変更しました。リーフスプリングの減少によるバネ定数の低下を補完するために、各輪2本のショックアブソーバーにコイルスプリングを設定。リーフスプリングに比べてコイルスプリングの方が交換が容易なため、レースでは仕様の異なるコイルスプリングを持参しコースに合わせてセッティングを変更してゆくことが可能になりました。モンゴルでの自主走行トレーニングとラリーモンゴリア2015では、リーフスプリングとコイルスプリングとショックアブソーバーの3つの要素が複雑に絡み合うサスペンションのセッティングを煮詰めていきます。
また、アクスルの保持力を上げるために前回から装着したトルクロッドの剛性が前回のダカールラリーで確かめられたため、周辺部品も含めて大幅に改善し約300kgの軽量化に成功しました。サスペンションのセッティングとともに剛性テストも入念に行う予定です。
シェイクダウンを終えた日野レンジャー2号車はすぐに船積みされ、モンゴルの首都ウランバートルへ輸送されました。

サスペンションのストローク量をテスト
改良された2号車のサスペンション

 

● 2015年度、販売会社メカニックが決定!!

日野チームスガワラのメンバーとしてダカールラリーに参戦するメカニックは、毎年全国の販売会社から公募選抜されています。今年度も多数の応募者が選考会に参加し、その結果4人のメカニックが選ばれました。早速、7月6日にチームに合流しラリーモンゴリア2015に出場する日野レンジャーの輸出準備などを行いましたが、その際にダカールラリーに向けた抱負を語って頂きました。

東京日野自動車 八王子支店 田極正樹(たごくまさき)さん (左)
入社当時から夢見ていたダカールラリーメカニックに選出され、とても嬉しく思っています。チームの一員として、自分のメカニック人生で学んできたすべてをぶつけていきたいと思います。今回、東京日野の多摩地区で初出場となりますが、自分の出場を応援して頂いている方のためにも、クラス7連覇を目指し、全員で最善を尽くせるよう、チームワークを大切にしていきたいです。

静岡日野自動車 静岡営業所 近藤匡人(こんどうまさと)さん (右)
2016年のダカールラリーのメンバーに選ばれたからには、これまでの知識や経験を活かしつつ、ラリーメカニックならではの技術を学んでいきたいと思います。また、今まで日野の先輩たちが培ってきた完走という伝統を絶やさないことと、クラス7連覇を目標に取り組んでいきたいと思います。まずは、ラリーモンゴリアをダカールラリーと同じ心構えで臨み、ラリーメカニックの基礎を身に付けてきたいと思います。

香川日野自動車 丸亀営業所 外池望(とのいけのぞみ)さん (左から2番目)
ドライバーの菅原義正さん、照仁さんが安心してアクセルを踏めるように確かな整備でチームを支え、チームワークを大事にして総合上位を目指します。香川日野代表として送り出してくれた会社のみなさまや家族の期待に応えられるようにがんばります!

九州日野自動車 福岡支店 坂口英之(さかぐちひでゆき)さん (右から2番目)
ドライバーの菅原義正さん、照仁さんに信頼される整備を心がけ、チームワークを大切にして4人で力を合わせていけば総合上位を狙えると思っています。九州日野からは1995年大会以来の出場となります。20年ぶりに出場を認めてくれた会社や、家族の応援に感謝しながら精一杯がんばります!

選ばれたメカニックは、7月27日にモンゴルへ出発しおよそ1か月かけて、自主走行トレーニングやラリーモンゴリア2015を経てラリーメカニックとしての知識と技術を実践で磨いていきます。モンゴルから帰国後は1号車の改造とレースを終えた2号車の整備を行い、ダカールラリー本番に向けて準備を進めていきます。

 

● サポートトラック「日野プロフィアFU」をフランスから召還!!

サポートトラック「日野プロフィアFU」は、1999年にラリーモンゴリアのオフィシャルトラックとして運行を開始しました。その後、2004年から日野チームスガワラのサポートトラックとして活躍。今となっては生産終了となった、排気量21リットルのV型8気筒エンジンと6輪駆動の走破力を活かし、アフリカのサハラ砂漠を縦横無尽に走り回り、日野レンジャーの長年の完走記録を支え続けてきました。2013年のダカールラリーに出場後、レギュレーションによる車齢制限のため退役し、その役目を現在のサポートトラックのHINO700シリーズZSに引き継ぎました。今回、モンゴルでの走行テスト強化のために、再びチームのサポートを行うこととなり、7月上旬に、フランスのガレージから日本に輸入され、整備を受けて部品を積込みモンゴルへ向けて輸送されました。

12年ぶりに日本に戻ってきた日野プロフィアFU

 

<ラリーモンゴリア2015 参戦体制>

競技車両: 日野レンジャー2号車
乗員: ドライバー菅原照仁・ナビゲーター杉浦博之
メカニック: リーダー 鈴木誠一(日本レーシングマネージメント)
  サブリーダー 中村昌樹(日野自動車)
  田極正樹(東京日野)、近藤匡人(静岡日野)、外池望(香川日野)、坂口英之(九州日野)

車両スペック(括弧内はダカールラリー2015仕様):

  2号車
車両型式 日野レンジャー
車両総重量 7,300kg (7,600kg)
全長 6,370mm
全幅 2,500mm
全高 3,000mm (3,150mm)
ホイールベース 3,970mm
リアボデー メインフレームマウントパイプフレームターポリンボディ
●エンジン  
エンジン型式 A09C-TI (ターボインタークーラー付)
エンジン形式 ディーゼル4サイクル直列6気筒
総排気量 8.866L
最高出力/回転数 630PS [463.4kW]/2,200rpm
最大トルク/回転数 230kgf・m [2255.5N・m]/1,200rpm
燃料噴射装置 電子制御 (コモンレール式)燃料噴射装置
燃料タンク容量 700L
●駆動系  
駆動方式 デフロック前後付パートタイム4WD
クラッチ φ430mmシングルプレート
トランスミッション 6速ダイレクトドライブ前進6速後退1速 パワーシフト付
トランスファー Hi-Loレンジ切替付
アクスル ハブリダクションアクスル
●サスペンション  
スプリング 前後テーパーリーフスプリング
ショックアブソーバー コイルオーバーショックアブソーバー
ブレーキ ベンチレーテッドディスクブレーキ 対向4ポットキャリパー
タイヤ ミシュランXZL 14.00R20
ホイール 鍛造アルミホイール

 

<走行トレーニング&ラリーモンゴリア2015 概要>
走行トレーニング
 日程・距離: 2015年7月31日~8月6日・約4,000km
ラリーモンゴリア2015
 日程・距離: 2015年8月9日~16日(8ステージ)・約4,000km