ダカールラリー

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2012年10月19日

クラス4連覇、総合上位入賞を誓う―ダカールラリー2013参戦記者発表会/壮行会を開催―

 日野自動車(以下、日野)は10月16日、日野市の本社で記者会見を行い、2013年1月5日~20日にかけて南米ペルー~アルゼンチン~チリで開催される、ダカールラリー2013のトラック部門に、菅原義正さん率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として「日野レンジャー」2台で参戦することを発表しました。

 発表会には「日野チームスガワラ」のメンバーとともに、岡本一雄会長、白井芳夫社長が出席。冒頭、白井社長が日野のダカール参戦の意義を述べ、チームにエールを贈りました。次いで、2号車ドライバーで10リッター未満クラス3連覇中の菅原照仁さんが、2012年大会から3年計画で着手した新型レース車両の開発状況と2013年大会参戦車両の概要、2013年大会のコースの特徴と攻略方法について解説しました。続いて、チーム代表兼1号車ドライバーで、ギネス世界記録認定・大会最多の30回連続参戦記録を持つ菅原義正さんが、31回目のダカールラリー挑戦にかける抱負を語りました。最後に、岡本会長が、これまで日野が21回の連続参戦・連続完走の記録を樹立してきたことに感謝すると同時に、チームを激励。次回大会では応援のため自らチリに出掛け、チームのゴールを出迎えることを明らかにしました。また、香川日野自動車の浦辺満広さんが、全国の日野販売会社から公募選抜されて参戦する4人のメカニックを代表して、力強く決意表明しました。このあと、詰め掛けた約30人の報道関係者に、2013年大会参戦レース車両が披露されると、カメラのフラッシュが焚かれ、車両の詳細なスペックやレースに掛けるチームの意気込みについて改めて報道陣からの質問が相次ぐなど、日野のダカール参戦に対する注目の高さを伺わせました。

 参戦記者発表会に続き、お昼休みを利用して、日野自動車本社内で壮行会が開催され、協賛企業各社の皆さんや日野グループ役員・社員合わせて約200人が出席しました。白井社長の挨拶、菅原義正さん、照仁さんによる決意表明、車両とコースの概要説明、岡本会長の激励が行われ、最後に今年度より車両製作のCEを務めている技術研究所の榎本室長の音頭で、「日野チームスガワラ頑張ろう」「エイエイオー」の掛け合いコールを行い、2013年大会でのチームの健闘を全員で祈念しました。

 以下、参戦記者発表会及び壮行会出席者の皆さんの、主な発言内容をご紹介します。


「日野スピリットで、南米の大地駆ける」

●日野自動車・白井芳夫社長

 日野は、1991年に日本のトラックメーカーとしてダカールラリーに初参戦して以来、世界一過酷なレースに挑み続け、次回2013年大会で22回目を迎えます。日野にとって、ダカールラリーへの参戦は、日野の技術力、そして整備力の高さを実証し、世界に広くアピールする場であるとともに、常に高い目標を掲げ、モノづくりへの情熱を燃やし、挑戦し続ける「日野スピリット」の象徴でもあります。今年、日野はお陰様で創立70周年を迎えました。この節目の年に、「ダカールラリー連続21回完走」という輝かしい実績を打ち立てることが出来たのは、チームが一丸となって力を合わせたのは勿論のこと、多くのスポンサーや関係の皆様が、サポーターとなって支え続けてくれたからに他なりません。私は今年1月に開催されたダカールラリー2012年大会を初めて現地で応援し、大統領以下、国を挙げてダカールラリーを盛り上げる姿を目の当たりにし、大変感銘を受けました。そして、日野が世界最高峰の舞台に挑み続ける意義の大きさを、改めて認識いたしました。
 ここ数年、未曾有の世界同時不況や昨年の東日本大震災をはじめ、経営環境を圧迫する情勢が続いていますが、このような厳しい環境下だからこそ、決して諦めず、挑戦し続ける「日野スピリット」の火を絶やさず、世界に向けて発信すべきと考えます。2013年大会では、排気量10リッター未満クラス4連覇とともに、トラック部門総合でも上位入賞を狙い、是非とも日野の高い技術力、整備力を実証してもらいたいと思います。次のダカールラリーにおいても、日野は“南米の大地”を駆け抜けて参りますので、引き続き、皆様のご声援をお願いいたします。


「3年計画で新型車開発、性能さらにアップ」

●2号車ドライバー・菅原照仁さん

 2012年大会から3年計画で、トラック部門の総合で5位以内入賞が狙える新型レース車両を開発することを目標とした開発構想を策定し、2012年大会では、8年ぶりに新型車で改造車クラスに参戦しました。初年度の2012年大会ではまず、エンジンのミッドシップ化、インタークーラーの位置変更による冷却効果の向上、リアボデーの側面を幌にすることなどで300キログラムの軽量化を図りました。その結果、10%のタイム短縮など戦闘力を向上させることができ、大会ではクラス3連覇と総合9位の成績を確保し、総合トップとの差も確実に縮めることができました。開発2年目の2013年大会では、2012年大会参戦車両をベースに、1号車を「新仕様を盛り込んだテスト車」と位置づけ、初めて電子制御(コモンレール式)エンジンを搭載します。エンジンの最高出力、最大トルクは現状と変わりませんが、燃料の噴射を電子制御することで、ピークトルクが発生するエンジン回転域を拡大させることが出来ます。8月に開催されたラリーモンゴリアで実戦テストを行いましたが、懸念していたトラブルも無く、大変良い感触を得ました。但し、電子制御エンジンンでのダカール挑戦は初めてのことであり、未知な部分も多く、何が起こるかわかりません。次回は、上位を狙う布石の年と位置づけ、しっかりとテストしてきます。1号車では、このほか、ディスクブレーキ、ハブリダクション付アクスルを採用し、戦闘力の向上を図りました。また、リアボデーの強度をさらに向上させるため、箱型から絞込みの形状とし、溶接によるジョイントから可動式のフレキシブルジョイントとすることで、ねじれに対する耐久力の向上も実現させました。2号車はこれまでの好成績を堅持するため、リアボデーの改造以外は、2012年大会の仕様を踏襲・熟成させます。

 2013年大会のコースは、ペルーのリマをスタートし、アンデス山脈を越えてアルゼンチンに入り、休息日の後、再びアンデス山脈を越えてチリに入り、サンチャゴにゴールする約8000キロです。スタートしてすぐペルーのアタカマ砂漠という難所が待ち構えています。アンデス山脈を越えてアルゼンチンに抜けますが、主催者の発表では、高度が4900メートルと、これまでのダカールラリーの中でも最高地点を通過することになります。チリに入って、ゴールの直前、コピアポにも大砂丘があり、ここが後半のポイントになるのではないかと思います。日野車は砂丘が得意ですので、前半戦のアタカマ砂漠は丁寧にクリアし、終盤のコピアポの大砂丘で大一番の勝負をかけたいと思いますので、是非、応援をよろしくお願いいたします。


「また入学するつもりで、参戦続ける」

●チーム代表兼1号車ドライバー・菅原義正さん

 41歳からダカールラリーに挑戦しています。次回で31回連続出場ということになります。先日、メカニックとしてダカール参戦経験のある日野販売会社の皆さんのうち約30人が一堂に会する機会がありましたが、中には販売会社の役員になっている方もおられ、ダカールの経験をマネジメントに活かしていただいていることを知り、大変うれしく思いました。現役で参戦を続ける原動力は何かと、よく聞かれますが、ダカールはやってみると大変難しく、なかなか卒業できません。毎回、レースも終盤頃になると、反省点を書き出して、早くも次回の大会に備えるようになりました。来年もまた、出直して入学するという気持ちで参戦を続けます。ダカール参戦は、若い人が世界に目を向ける良い機会になります。アフリカと違って、ペルーにもチリにも立派な日野のディーラーがあり、日野レンジャーが走っています。移動中にすれ違うと我々に手を振ってくれます。現地の販売会社の人も、皆熱く、日野車が活躍すると大変喜んでくれます。皆様からの応援に感謝しながら、「日野マーク」を見せて、しっかりと走って来たいと思います。ご声援をお願いいたします。


「感謝の気持ちと絆の強さ、世界に示そう」

●日野自動車・岡本一雄会長

 日野は今年、創立70周年を迎えました。今日までお世話になった皆様への感謝の気持ちを新たにし、オール日野の絆の大切さを改めて感じました。ダカールラリーにおいても、ここまで参戦を続け、完走を続けてこられたことに感謝し、「ありがとう」の気持ちを世界中の皆さんに伝えられたらと思います。モータースポーツの世界は、瞬時に状況が変わり、最後の最後まで何が起きるか分からない、大変厳しい世界です。メカニックの力も問われることになるでしょう。最後まで集中力を切らさず、強い絆で結ばれたチームの力を発揮し、きっと期待に応えてくれるものと楽しみにしています。私も、応援のため初めてチリまで出掛け、ゴールでチームを出迎えるつもりです。皆さんも日本から、是非声援を送って欲しいと思います。


「完走の難しさ後輩に伝え、共に頑張る」

●メカニック・リーダー、香川日野自動車・浦辺満広さん

 私は2009年大会にメカニックとして初めて参戦し、次回大会が2回目の参戦となります。2009年大会では当初、完走は固いだろうと甘い気持ちで臨みましたが、実際に経験して、完走することが如何に難しいことなのかがわかりました。次回大会に全国の日野販売会社から選ばれて参戦するメカニック4人のうち、他の3人は初めての参戦ですので、完走の難しさを伝えながら、現場では自分は一歩引いて、効率よく整備の仕事が出来るようにしたいと思います。私たちの決意は固まっています。最低でも完走、そして上位入賞を目指して頑張ってきます。

メカニック 写真左より、小磯武士(横浜日野)、浦辺満広(香川日野)、鈴木誠一
(日本レーシングマネージメント)、菊池孝泰(北海道日野)、酒井芳明(徳島日野)

 

日野チームスガワラ 公式ウェブサイト
http://www.hino.co.jp/dakar/index.html
http://www.teamsugawara.jp/