ダカールラリー2012参戦発表会/壮行会を開催

2011年10月20日

10月18日、日野自動車株式会社(以下、日野)は日野市の本社内で記者会見を行い、2012年1月1日~15日にかけて南米アルゼンチン~チリ~ペルーで開催される、ダカールラリー2012のトラック部門に、菅原義正さん率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として「日野レンジャー」2台で参戦することを発表しました。

会見には「日野チームスガワラ」のメンバーとともに白井芳夫社長が出席し、詰めかけた約70人の報道関係者に、新型レーシングトラックを含む2台の参戦車両が初披露されました。8年ぶりの新型車両は排気量10リッター未満クラスでの優勝とともに、大型車を含めた総合順位で上位に入賞することを目標に開発された意欲作で、展示された車両には技術的な質問も相次ぎ、予定時間をオーバーするなど改めて注目度の高さを感じさせました。

冒頭あいさつに立った白井社長は、参戦し続ける意義を強調するとともに、チームにエールを送りました。

日野が参戦する意義は、まず、日野の認知を高め、グローバルブランドとして醸成していきたいということ、次に日野車の技術力を世界の舞台で実証すること、そして、ダカールに参戦して勝つという共通の目標を持って関係者が力を結集し、チームワークを強化することの3点です。
菅原義正さんは夢を追い続けて70歳にもなる。今度の参加者1,500人の中でも最高齢でしょう。息子の照仁さんと、この2人が引っ張るチームスガワラが今度の南米での大会で悪戦苦闘しながらも、きっとやり遂げてくれると信じています。
また、今年は東日本大震災で宮城日野の石巻営業所もずいぶん被害を受け、10月11日に7カ月かけて復興しました。そこで被害にあった稲葉さんがメカニックの一人として、今度の大会に参戦します。彼は被災された人たちの光になること、苦しいけれど前を向く光になりたい、支援を受けた世界の人たちに頑張っていることを示すことでお礼を申し上げたい。そういう思いで参戦してくれます。
今回は私もゴールに立ち会います。ぜひ、日野チームスガワラを日野グループ全員で応援してもらいたいです。

白井社長

続いて菅原義正さんが登壇し、チーム代表兼1号車ドライバーとして次回大会への決意表明を述べました。

次回大会に向けては素晴らしいクルマが出来ました。今年は震災があり暗い話ばかりでしたが、我々も一生懸命挑戦することによって、それを払拭するような姿を見せたいです。日本人の心を大切にし、日本車である日野車をお預かりして外国勢と戦ってきます。敵もしぶとく、強豪が出場するとの情報も入ってきていますが、何としてでも阻止して良いところに行きたいと思っています。
私も古希という年になりました。来年は日野さんにとって21回目の幕開けの新しい年になります。僕も負けずにあと20年頑張りますので、是非90歳までよろしくお願いします。

菅原義正

そして、菅原義正さんの次男で、2号車のドライバーを担当する菅原照仁さんが、今大会の特徴と新型レーシングトラックの概要について、地図や画像を使いながら説明しました。

まず、コースについてですが、南米での開催は4回目です。これまでは、アルゼンチンとチリの2カ国でしたが、次回は新たにペルーまで行くことになりました。スタート地のマルデルプラタは有名なリゾート地で、観光客が多い中をスタートします。初日から海岸で30kmのSSがあり、厳しいコースになると聞いています。次にアンデス山脈を越えていく行程では最高地点で4,500m、これはリエゾンですが、SSでも3,500mくらいの場所も通過します。その後はチリのアタカマ砂漠が舞台となり、4日くらいから10日すぎまで砂丘が続きます。次回初めて行くペルーは終盤一か所に、ナスカの大砂丘、とんでもなく高い砂丘があると聞きます。ほとんど砂丘のコース設定で、個人的には今までで一番厳しいコースになると予想しています。クルマの方は新車を仕立てました。エンジンをミッドシップにして前後の重量配分を良くし、フレーム幅も広げて大きなエンジンも載せられるような形です。キャビンはショートキャブにして50kgは軽くなりました。さらにリアボディの側面を幌にするなど、新しいレギュレーションで可能となったクルマ作りを追求した結果、昨年より300kgも軽くなっています。

菅原照仁

一方、南米は夏の大会なので、これまで冷却に苦労してきました。そこでインタークーラーをキャブの後ろ、屋根の下にずらして冷却効果の向上を図っています。こうした改良点はモンゴルでのラリーでテストをしてとても調子が良かったです。 我々は数年計画でクルマをよくしていきます。(初年度の今回は)トランスミッション、アクスルは以前のクルマと同じですが、それでも10%タイムが縮められるくらい、戦闘力は上がっています。新型にとって初回のラリーですが、止まらずきっちり走れば良い成績を残せるかと思います。目標は排気量10リッター未満クラス(の優勝)をきっちり獲って、トラック部門総合の上位に。数年内に総合の5位以内に入れるクルマ作りをしたいです。今回は、その試金石としてとても楽しみにしています。

マップ
ダカールラリー2012 参戦車(左:1号車、右:2号車)
ダカールラリー2012 参戦車(左:1号車、右:2号車)
参戦に意気込む白井社長と日野チームスガワラ
参戦に意気込む白井社長と日野チームスガワラ
多くの記者が詰めかけた発表会場
多くの記者が詰めかけた発表会場
多くの記者が詰めかけた発表会場

ダカールラリー2012参戦壮行会を開催

参戦記者会見と同日の18日、お昼休みの時間を利用して、本社内で参戦壮行会が開催され、協賛各社様や日野グループ社員合わせて約200人が出席しました。白井社長の挨拶に続いて菅原義正さん、照仁さんが決意表明やコース/車両の概要説明を行い、クラス連覇やトラック部門総合上位入賞に懸ける意気込みを語りました。また、1・2号車のナビゲーター、同行する4人のメカニックも抱負をコメント。最後に山本章正専務取締役が激励を行い、技術管理部折笠部長の音頭で参加者全員が日野チームスガワラの必勝を祈願し"ガンバロウ三唱"を行いました。

山本章正専務取締役
3つの誓いで激励をしたいと思います。1つ目はゴールのペルーのリマで感動を分かち合うこと。2つ目は技術力をしっかり活かしてチームワークと人間力で良い成績を挙げること。3つ目はこの2つの誓いをオール日野で、全力で支えていくことです。この3つの誓いと期待を込めて応援コールをしたいと思います。

ナビゲーター:
杉浦 博之/1号車

前回大会に引き続き1号車のナビを担当しますが、さらに上位を目指してゴールまで導きますので皆様よろしくお願い致します。

鈴木 誠一/2号車
レース車が新車になりポテンシャルが上がりました。そして次回大会は砂丘の難しいコースが多いということです。フォグランプは小さくなりましたが、昼間のうちに帰れるようがんばってきます。

メカニック:
中野 直也(広島日野自動車) リーダー

2台揃って完走出来るよう、4人のメカニックが力を合わせてフルサポートしていきたいと思います。

前田 聖治(愛知日野自動車)
20年間の経験の集大成のつもりで頑張っていこうと思います。

仲田 昌宏(東京日野自動車)
メカニック4人で力を合わせてゴールを目指していきたいと思います。

稲葉 勇哉(宮城日野自動車)
地元に明るいニュースを持って帰れるよう頑張ってきたいと思います。

オール日野としてチームを激励した山本専務
オール日野としてチームを激励した山本専務
全力のサポートを誓うメカニック
全力のサポートを誓うメカニック
力強い応援のエールが響いた
力強い応援のエールが響いた

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