ダカールラリー

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2011年07月20日

ダカールラリー2012、新型レース車完成、ラリーモンゴリアでテスト走行へ

日野チームスガワラにとってはテスト走行の場でもあるラリーモンゴリアに出場するため、いよいよ新型レース車の製作が本格化し、チーム一丸となって作業に取り組んできました。今号では、新型レース車製作の様子と、ロシアで開催されたシルクウェイラリーに出場したライバル車の動向をご紹介します。
 

■選手自らが製作に参加し、車両を熟知

2012年1月に開催されるダカールラリー2012に、日野チームスガワラは、前回大会でクラス優勝した車両に加え、日野レンジャーをベースとした新型レース車を1台投入し、改造車クラスに2台体制で挑みます。新型レース車は、日野工場からラインオフされた車両を一度、ユニット単位まで分解し、架台に据え付けられたフレームを軸に、ラリー用に改造された部品や日野純正部品などを、現物を見ながら現場で一つひとつ組み上げていきます。現場では、この新型レース車を駆る、菅原照仁ドライバーと鈴木誠一ナビゲーターが中心となり、現場での進行管理や作業を行いました。過酷なラリーを攻めきるためには、20回連続完走という日野車の信頼性・耐久性もさることながら、選手自ら車両の隅々まで熟知することが重要となります。

こうして7月上旬、ようやく形になった新型車は、日野自動車の茨城テストコースで、波状路や高速走行などの動作確認を終え、同月13日にモンゴルを目指し出発しました。新型車のラリーモンゴリアでの様子は、大会公式ウェブサイトをご覧ください。

アルゼンチンへ出港する10月中旬まで、テスト結果をもとにさまざまなセッティングを実施予定です。

―ラリー・モンゴリア2011 大会概要―
開催期間: 2011年8月7日~16日
開催国: モンゴル国
総走行距離: 3,250km
大会公式ウェブサイト: http://www.sser.org/rallymongolia/

 

ようやく形になった新型車。荷台には幌を使用、選手が乗るキャブをショートキャブにし、前回大会の車両重量に比べて約250kgの軽量化を達成。また、インタークーラーを荷台上部に付け冷却性を向上させるなど、長年培ったノウハウがいたるところに注入した車両となりました。スペックの詳細は次号でお知らせ予定。

 
■製作現場の様子

2011年のクラス優勝車の構造を参考にしながら、新車製作をスタート。
 
別工程で作業を進めていた新キャブが到着。
 
キャブや燃料タンクなどさまざまなユニットが取り付けられる。
 
操舵性の向上を狙い、初採用されたキャブサスペンション。
 
ヘッドランプの上部にもLEDフォグランプを搭載。
 
照仁ドライバー自らも作業を行う。
 
長年のレースで培った技術の詰まったエンジンをミッドシップに搭載。
 
荷台は幌仕様のため簡素で軽量な骨組みとなる。
 
日野開発チームも加わり、パワーラインの取り付けを確認。
 
日野本社から運び込まれたアクスルを取り付け。
 
250kgの軽量化をもたらした幌を張り、ようやくレースカーらしくなる。
 
電装品やケーブル類を最終確認する照仁ドライバーと日野の若手スタッフ。
 

 

■ライバル車多数が激戦 ~シルクウェイラリー(ロシア)~

7月9日から16日、ロシアの首都モスクワ・赤の広場~ソチ・2014年冬季オリンピック開催予定地間でシルクウェイラリーが行われました。参加台数は140台(トラック部門35台、乗用車部門105台)で、トラック部門は、ダカールラリーで日野と熾烈な戦いを繰り広げているライバルのカマズ(ロシア)・タトラ(チェコ)・マン(オランダ)・イベコ(イタリア)・メルセデス(ドイツ)など、前回のダカールラリーで総合10位以内のうち7台が参戦しました。総走行距離は3,983kmで、湿地帯や砂丘等、様々なステージ構成となっており、ダカールラリーの3分の1程度の規模といえます。本ラリーは、ダカールラリー主催者であるA.S.O.が、ロシア政府からスポーツ強化プロジェクトの一環として支援を受け、ドライバーの育成、各チームのテスト走行の場として、2009年より開催しており、今大会で3回目となります。

トラック部門は、ダカールラリーで3連覇中の地元カマズの強さと、打倒カマズを目指すライバル車の出現が、レース前から注目されていました。

カマズは、7台のレース車両を投入し、既に引退を表明しているダカールラリー優勝7回の伝説のドライバーであるチャギュインに次ぐドライバーを育成。前大会覇者のニコラエフやダカールラリーを2度制覇したベテランのカビロフと共に、24歳の若手ドライバーを起用。今大会は、ダカールラリー優勝7回のエースドライバーであるチャギュインは欠場しました。それでも、レース初日のステージで1~5位を独占し、カマズの圧倒的な勝利が予想されました。しかし、3日目にニコラエフがエンジントラブルでリタイア、最終日前日に、カビロフが、移動区間での規定速度違反により1時間のペナルティを課されるなど、カマズ勢が苦戦するなか、各ステージで好位置に着けていたタトラのロプライスが逆転優勝を果たす波乱が起きました。トラック部門は、レース車性能の向上が著しく、新たな混戦時代を迎えそうです。

乗用車部門は、過去ダカールラリーで優勝9回を誇る伝説のドライバーであるペテランセルがMiniクロスオーバーで参戦し、圧倒的なレース展開が予想されましたが、初日でエンジントラブルとなり、戦線から離脱。優勝は、前回のダカールラリーで5位入賞を果たしたBMWのホロヴィッツとなりました。

詳細は、シルクウェイラリー公式ウェブサイト(http://www.silkwayrally.com)をご覧下さい。


《トラック部門総合順位》

順位 ドライバー メーカー(国) タイム(累計) タイム差
1 A.ロプライス タトラ(チェコ) 08:23:15
2 F.カビロフ カマズ(ロシア) 08:39:56 0:16:41
3 A.カルギノフ カマズ(ロシア) 09:01:51 0:38:36
4 H.ステーシー イベコ(イタリア) 09:25:45 1:02:30
5 A.マルデーヴ カマズ(ロシア) 10:30:24 2:07:09
6 F.エクター マン(ドイツ) 10:31:07 2:07:52
7 W.ヴァンギンケル ジナフ(オランダ) 10:36:10 2:12:55
8 I.マルデーヴ カマズ(ロシア) 11:57:32 3:34:17



■「Formula NIPPON 第3戦 富士スピードウェイ」併設イベントに出展

7月17日、晴天に恵まれた同サーキットに約16,000人の観客が足を運ぶなか、ダカールラリー2011のトラック部門市販車クラスで優勝を果たした日野レンジャーを出展し、多くのファンの皆様が、運転席に体験乗車しました。また、レースの合間には、メーンスクリーンに、菅原照仁ドライバーと同ラリーで活躍するチームランドクルーザーの三橋ドライバーのトークショーが映し出されました。

レース期間以外はほとんど車両改造中のため、触れる機会が少ない迫力のあるラリー車の展示は、多くのファンの皆様の関心を集め、大変好評でした。

列が途切れない乗車体験 サイン会での菅原照仁ドライバー インタビューを受ける菅原照仁ドライバー(右)と、チームランドクルーザーの三橋ドライバー(中央)