ダカールラリー

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2011年06月13日

日野自動車、ダカールラリー2012 参戦に向け始動

 参戦20回目の節目となった前大会で、トラック部門 「市販車クラス連覇」と「排気量10リッター未満クラス1-2フィニッシュ」を果たし、ダカールラリーにおける日野の歴史に、輝かしい記録を残した日野レンジャー。これもひとえに、皆様の日頃からのご理解・ご支援の賜物と感謝申し上げます。

 さて、次回の2012年大会は、再び南米での開催が決まり、日野自動車は、最高のパートナーであるチームスガワラと共に、日野チームスガワラとして、活動を継続することを決めました。チーム代表 兼 ドライバーである菅原義正さんのコメントをご紹介します。

どんな窮地に陥っても決して諦めないスピリットを生み出すのは、人の心であり、人の力です。
いま、世の中には先の見えない不安がただよい、私たちの挑戦においても、多くの困難が予想されます。
しかし、私たちが進む道はひとつです。日本のトラックメーカーとして誇りをもって闘い、挑戦し続ける“日野スピリット”の象徴となることはもちろん、多くの皆様の希望の光となるよう、全身全霊をかけて準備を進めて参ります。
皆様にご理解・ご賛同をいただき、ご支援・ご協力を賜り、全員が日野チームスガワラとして、挑戦したくお願い致します。
チーム代表 兼 ドライバー 菅原義正


1.ダカール2012大会概要(主催者発表)  “The Ultimate Adventure”

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから南へ400kmに位置し、同国最大のリゾート地として有名なマルデルプラタをスタートします。アンデス山脈まで西へ移動した後、山岳地帯に沿って北上、チリへ入国。次回も、主戦場は世界一乾燥しているアタカマ砂漠周辺となると予想されます。ペルーが新たにコースに加わり、新たな冒険が開かれます。

大会名: Dakar Rally 2012
主催者: Amaury Sport Organisation
通過国: アルゼンチン、チリ、ペルー
総走行距離: 約10,000km
開催期間: 2012年1月1日~1月15日
日程: 2012年1月1日 スタート
  2012年1月8日 休息日
  2012年1月15日 ゴール
大会ウェブサイト http://www.dakar.com


2.日野チームスガワラ参戦体制
「8年ぶりに新型車投入。モンスタートラック勢に挑む。」

 市販車排気量10リッター未満でありながら、排気量が倍以上で、レーシング仕様に改造されたモンスタートラック勢に挑み続けてきた日野チームスガワラ。毎年、モンスタートラックのライバルとして注目されるも、特に開催地が南米に移ってからは、スピード・パワー化が一層進み、苦戦を強いられてきました。

 2011年大会は200kgの軽量とエンジン出力アップなど、果敢にチャレンジしました。その結果、ステージの随所で、トップ5の車両を脅かすレース展開を繰り広げるなど、確かな手応えが得られました。
そこで、3年後の2014年大会で総合5位以内を狙う高い目標を掲げ、次回は、2004年大会以来8年ぶりに新型車を製作、投入します。

 3ヵ年計画の初年度となる次回参戦する新型車の製作は、主にシャシー・ボディの改造が中心。日野レンジャーの車両耐久信頼性を維持しながら、ベース車を従来の日野レンジャーFTではなく、フレーム組幅が広いため、改造により適した日野レンジャーGTを採用。エンジンの加速性能アップと、搭載位置をミッドシップにして重量バランスの向上、さらに前回リアボディをアルミからカーボンにしたことなどで、200kg軽量化に成功したノウハウを生かし、さらに車両全体で200kgの軽量化を目指すなど、車両戦闘能力を大幅にアップし、市販車でなくレーシング仕様の改造車クラスとして参戦します。足回りやパワーラインなどの性能の向上も順次実施予定です。
 今回も、日野車の『高い耐久性・信頼性』を実証すべく、開発機能を中心に精鋭が集まり、皆様の期待に応えるべく、製作に取り組んでいます。

 ドライバーは、大会史上最多28回連続出場(記録更新中)、史上最多20回連続完走記録保持者であり、レースでは“Japanese Legend in Dakar”と称される菅原義正さんと、エースドライバー照仁さんです。日野車の全てを知り尽くす二人が、日野および部品メーカーの開発者と共同開発し、次回も、“Little Monster, HINO”を駆り、大排気量のモンスタートラック勢に挑みます。

チーム名/代表: 日野チームスガワラ (英:HINO TEAM SUGAWARA) / 菅原義正
参戦車両: 日野レンジャー 2台
今後の予定: 8月8~15日 Rally Mongoliaテスト走行 (ウランバートル発着)
  10月初~中旬 国内最終走行テスト&参戦記者会見
  12月中旬~末 アルゼンチンでの最終車両調整


アンデス山脈の厳しい傾斜で横転が増えたこと、改造車が増えスピード化が進むことの懸念により、天井部にもロールバー(転倒時に乗員を守る)を装着する車両規定が制定。キャブをベッドレスに裁断し、ロールバーを後方から搭載すると同時に、穴を開けるなどのグラム単位での軽量化も実施。モンゴルでテスト走行をするため、6月末までに車両を完成させる。(左上写真:5月31日時点)
 


3.ラリー競技・参戦活動を通じて培ったノウハウ、絆による東日本大震災の復興支援活動 

■モンゴルラリーの主催者SSER様および菅原照仁さんによる日野レンジャーでの支援活動
SSER様より御報告を頂きましたのでご紹介します。

私たちSSERはモンゴルラリーをはじめ、日本国内外でラリーを主催している団体です。私達は、モンゴルのゴビ砂漠の真ん中、水も電気も全く何もない苛酷な環境で、ラリーの参加者に対して温かい食事の提供をはじめさまざまなホスピタリティの提供をしています。このことから今回の大震災の報をうけ、直ちに出動態勢を整え出動いたしました。

 目指したのは石巻市。四輪駆動の日野FT車(日野レンジャー)に、医療用酸素ボンベ、大型のテント、発電機、ガソリン、軽油、灯油、LPG、厨房機器、米10トン、そのほか食材をはじめ、ラリーのケイタリングシステムなど大量の機材を積載。緊急車両登録がされ、危険物のプレートが取り付けられ、乗員には危険物取扱主任者も乗り込みました。

 現地は道路さえ復旧していないタイミングで、向かう高速道も補修工事が始まっておらず、一部道路は冠水したままでした。そうしたところへ大量の機材を投入できたのは、日野FT車の機動力でしかありません。女川原発へ陸路から真っ先にたどり着いたのも実は私たちSSERの日野FT車でした。被災後1週間もたった女川原発へ避難している方々をはじめ多くの皆様に「やっと、はじめて温かいものを食べることができた」と大変喜んでいただきました。そのタイミングでは、温かい食事が「希望」そのものでした。日野のパリダカドライバーである菅原照仁さんにも活動に参加頂きました。

 これからも活動を継続します。また今後起きるであろう様々な災害に備えて、機材を常に備えておきたいと考えています。

SSER ORGANISATION 山田 徹


■日野チームスガワラのフランス拠点 ルマン近郊で、日本復興支援活動
 フランス・ルマンから南へ約20km離れたシャイニーという町で、レストランを経営している松本尚子さん(1997~1999年のダカールラリーで菅原義正さんのナビゲーターとして参戦)。ラリーがアフリカで開催されていた2008年大会までは、毎年スタートの時期になると、夫妻が中心となり、町をあげてパレードや壮行会を開いて下さり、チームの活躍をいつも応援して頂いておりました。

 今回の東日本大震災を心配し、シャイニーの町では、「Action Solidarité Japon」が発足し、近隣の印刷所が無料で募金箱100個を印刷、ルマンがあるサルテ県南部の商店や会社に設置。ダンス会やコンサート、近隣の画家から提供された作品のオークションを実施し、収益金の一部を募金するなど、ダカールラリー活動が育んだ絆は広がっています。
 なお、本活動は、東京中日スポーツ新聞で紹介されました。また、6月11日開催のルマン24時間レース主催者から、活動内容・連絡先を聞かれるなど、反響は広がっているそうです。


4.(トピックス) 菅原義正さん、古希(70歳)のお祝い

 5月31日に菅原義正さんが古希を迎えました。菅原さんが会長を務める日本レーシングマネージメント(株)の皆様と創業1865年(江戸慶応元年)の京都の老舗和菓子店 甘春堂様※とのコラボレーションにより完成した、日野レンジャーを含む、過去に参戦したレース車両の和菓子が贈られました。

「やっと70歳です。有難いです。」

 菅原さんは、日野車の改造をしながら、四国(5月)や北海道(7月)、モンゴル(8月)でのオフロードレースにバイク・四輪で参戦し、史上最多の29回連続出場となるダカールラリーに向け調整をしています。鉄人健在です。

※甘春堂  京都市東山区川端通正面大橋角
 TEL: 075-561-4019 FAX: 075-561-4101
 ウェブサイト:  http://www.kanshundo.co.jp