社会性報告

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特集:お客様との絆 社会との絆

「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」。これが日野自動車(以下、日野)の使命です。日野は、お客様のトラックやバスの、故障などによるダウンタイムを最小化することが、お客様のビジネスを止めないことにつながり、日野が社会に提供できる重要な価値となると考えています。日野の使命を果たすためには、高い品質の車両の開発・製造・販売はもちろん、販売後の速やかで的確な整備による安全性の確保なども重要となります。

そこで日野は、「ダウンタイム最小化=アップタイム最大化」「ライフサイクルコストの最小化」でお客様に貢献することを目指し、「日野トータルサポート」として、開発・生産・販売・アフターサービスにおける全ての場面でさまざまな取り組みを推進しています。トータルサポートは、お客様の期待に応えるための取り組みであると同時に、社会のインフラである輸送・交通を支えるための取り組みでもあります。

安全で環境に優しい輸送・交通を目指して

日野は、アフターサービスを担う販売代理店などと一丸となり、「チーム日野」としてさまざまなトータルサポートの取り組みを進めています。目指すのは、「アップタイムの最大化」と「ライフサイクルコストの最小化」です。

車両稼働時の安全性を確保しつつ、稼動できる時間(アップタイム)の最大化を図るためには、故障の少ない品質のよい車を提供すること、適切な時期の部品交換などにより故障を未然に防ぐ予防整備、故障時の修理を迅速化することなどが重要となります。一方、車の購入から使用、廃棄にいたるライフサイクルにおけるコストの最小化を図るためには、低燃費車の開発、ドライバーに対する省燃費運転の推進などが重要です。お客様の役に立つこととは何かを常に追求し、今後もさらに取り組みの拡大を図っていくことで、安全で環境に優しい輸送・交通体系の構築に貢献していきたいと考えています。

 

①アップタイム最大化のための取り組み例

補給部品の供給

ダウンタイムを最小化するために、お客様をお待たせせずに修理を行うことができるよう、信頼性の高い純正部品の迅速な供給と適正な価格の両立に努めています。

「ドクターデュトロ」の配備

故障した車の応急処置に必要な機材を搭載した小型トラック「ドクターデュトロ」を販売会社に配備し、出張修理をおこなっています。

ドクターデュトロ

 

②ライフサイクルコスト最小化のための取り組み例

お客様向け省燃費運転講習

日野では、お客様向けの省燃費運転講習を実施しています。自動車メーカーが直接運営する常設の講習施設としては日本初である「お客様テクニカルセンター」では、試乗コースを使った講習を実施しています。

エコドライブ講習

 

エコツリーレポート

お客様の車両に搭載されている車両制御コンピューターに蓄積されたさまざまな走行データから、運行診断レポートを作成しお届けしています。省燃費運転のご提案や安全運転の再確認、また、予防整備にも役立てています。

エコツリーレポート

 

世界に浸透するトータルサポートの精神

トータルサポートの考え方を海外にも展開し、世界中どこでも質の高いサポートを提供できるよう取り組んでいます。

トータルサポートを海外へと伝える取り組みは、2012年に開催された、「日野世界大会」からはじまりました(「お取引先とともに」へリンク)。海外の販売代理店のトップを招いた同会で、日野は、トータルサポートを戦略の1つに据え注力していくことを打ち出しました。そして、2015年には、トータルサポート世界会議を開催、日野と海外事業体が一体となって、世界中のお客様のためにトータルサポートを推進していくことを誓い合いました。

現在、日野と取引のある海外の代理店やディーラーでは、トータルサポートという単語が世界共通語となり、日本からの働きかけがなくとも、自主的に取り組みが進められるようになっています。

世界各国で高品質のトータルサポートを同じレベルで提供していくためには、高度なスキルを持つメカニックや先進的整備機材を整え、サービスの質を揃えていくことが重要です。そこで、メカニック向けのEラーニングを各国の言語で提供することにより、近年進むトラックのハイテク化・複雑化に対処できるようスキルアップも行っています。各国の状況に合わせながらも、先端技術の導入を今後も継続して進めていきます。

Voice

BR海外 TS企画室長 参与 安田 武
成果は、日野が選ばれる理由に表れます
BR海外 TS企画室長 参与 安田 武

海外におけるお客様サポートについては、販売後の車両のアフターケアをおこなうため必ずフィールドサービスエンジニアを派遣するなど、これまでも継続的に取り組んでいました。この活動をさらに高め、2011年の世界大会で打ち出された日野トータルサポートの思いが、世界各国でぶれることなく共有化されるよう、2013年に明文化し、冊子として配布しました。

また、海外代理店のトップの方々には、地域ごとのリージョナル会議でトータルサポートの理念を浸透、マネージャークラスの方々には、マネージャー会議や改善ラリーでTS活動の優秀事例を共有化、現場最前線のテクニシャンの方々には、スキルコンペティションの場で啓蒙を図って来ました。

その成果は、お客様が日野を選ぶ理由に表れてきます。ある時、付加価値が高い積荷は日野の車で運搬するというお客様の声を伺ったことがあります。たとえばミキサー車は、故障して止まってしまうと内部でコンクリートが固まり取り返しのつかない事になってしまうため、品質が高く整備も的確な日野の車を選ぶというのです。そこには日野への信頼があると感じます。このように、商用車を止めないことでライフラインを支えることが、当社が社会に貢献できる最大の価値ではないかと考えています。

TS支援企画部 部長 香川 雅英
お客様のために何ができるか常に考えています
TS支援企画部 部長 香川 雅英

常にお客様に密着してサポートするという体制は、国内の販売会社にもともと根付いていたものです。トータルサポート活動では、この「お客様の役に立つ提案をおこなう」という姿勢を基本に、整備機材や人材教育などのレベルをさらに高め、世界中のお客様に向けディーラー、メーカーが一丸となった「チーム日野」として何ができるかを考えています。

トータルサポートは海外でも各国の状況に応じた取り組みを推進しており、北米などではテレマティクスを活用し、故障原因を効率的に探って早期解決を図っています。また、中南米ではお客様が短時間の整備を求めておられるため、適切な点検や整備を円滑に素早くおこなうことができるよう努めています。これは一例ですが、そのような各国の優れた事例を真摯に学び、フィードバックするような循環をつくることで、お客様の稼働を止めないための技術をチーム日野としてさらに進化させたい。その結果として、お客様からの深い信頼を得ることはもちろん、社会のライフラインを止めないこと、環境に配慮することという社会的価値に繋げていきたいと考えています。