ダカールラリー2018新メカニック・サブリーダー就任―今年は自分にとって挑戦の年。背中を押してくれた家族や職場、皆に恩返しをする気持ちで頑張りたい―

2017年5月17日
No. PD18-04

ダカールラリー2018に向け、日野チームスガワラは始動しました。そのような中、前任の中村さんの後を継いで、新メカニック・サブリーダーに就任した日野自動車株式会社 車両生技部の岡部さんに、サブリーダーとしての意気込みや現在の気持ちをお伺いしました。

車両生技部の岡部さん

―まず、岡部さんの経歴を教えてください。

1992年に日野工業高等学園に入学し、自動車整備課で3年間学んだ後、1995年4月に日野自動車株式会社に入社して試作部大型試作技術課(現在の車両生技部車両課)に配属され、試作車両の改造に携わりました。 その後、車両生技部で北米専用ボンネットトラックの生産ラインを立ち上げることになり、生産準備から日野工場ラインでの生産、北米工場の立ち上げを経験させて頂き、その後はトヨタ受託車・日野トラックの試作キャブの内装や外装の組み立てを行う艤装(ぎそう)グループに7年間従事。その後、再び改造セクションに戻りました。

車両生技部の岡部さん

―そのような中、今回、ダカールラリーにメカニック・サブリーダーとして参戦することになった経緯を教えて頂けますか?

実は2年前に一度、上司の課長にこのお話を頂いたのですが、その時は家庭の事情でお断りしました。

今回再び上司にお話を頂いた時に、ダカールラリーに行ってみたいという気持ちもそうですが、不安を伝えました。 過去に、自分が改造セクションにいた時に、上司が中心になり、ダカールラリー車を製作していた時期がありました。当時の上司はキラキラしていて、知識・技能に優れ、リーダーシップもあり、設計と現場メンバーを上手にコントロールし、ラリー車という超特殊車両にも関わらず、出車日程にポン!と間に合せてしまう様な人でした。そんな過去を知っている自分が「本当にラリー活動で貢献できるのか」という不安をぶつけてみました。自分は配属当時から上司にお世話になっていますが、普段仕事に対してとても厳しい方で、迷惑を掛けてお叱りを受ける事も多々あります(笑)。しかし、今回の不安に対して上司は全て聞き入れ、優しく背中を押してくれました。自分が話を受けると決めた時には「頑張れよ!」と握手をして下さいました。涙が出るくらい嬉しかったのは内緒です。「快くダカールラリー活動に参戦させてくれた職場の仲間と上司に恩返しをしたい。自分が今まで積み上げてきた経験・知識・技能を生かし、上司のようにダカールラリー活動で自分自身がどれだけ貢献できるか挑戦してみよう。」と思い参戦を決意しました。

―ダカールラリーに参戦することが決まり、ご家族など周りの方の反応はいかがですか?

妻は、「自分がダカールラリーに行きたいのであれば、行くべきだし、一生に一回しか経験できないことなので、良い経験になる」と背中を押してくれました。そして子供達は、「パパがラリーに行くのは寂しいけど、カッコイイから頑張ってね」と応援してくれました。

車両生技部の岡部さん

―前任のメカニック・サブリーダーの中村さんからは何かアドバイスはありましたか?

今年度のダカールラリー活動前に引き継ぎを行いました。しかし、実際に活動するとわからないこともあるので、その都度、アドバイスをもらっています。一昨年、昨年とダカールラリー車の製作に応援という形で携わり、前任の中村さんの背中を見て仕事をしてきたので、良いところは継承し、自分なりに「ここはこうした方が良い」と感じた部分はスパイラルアップして行動するよう心掛けています。

―ダカールラリー以外の期間は何をやっているのかと不思議に思う方もいると思います。現在はどのようなことをやっているのですか?

来年の1月に行われるダカールラリー2018に向けて、4月から活動を開始しました。今年度は、ダカールラリー前の実戦テストとして、7月のシルクウェイラリー、8月のモンゴルラリーという2度のラリーに参戦予定です。現在はそこに向けて、輸送部品の出荷及び準備、車両の整備や製作を行っています。

車両生技部の岡部さん

―日野自動車の社員の行動指針として「日野スピリット」というものがあります。ダカールラリー参戦に当たり、岡部さんの大切にしている「日野スピリット」はありますか?

前任の中村さんは「チームワークを大切に、一致団結」でした。自分は「挑戦とチームワーク」です。市橋社長も「今年は挑戦の年」とお話されていますので、何事にも挑戦しチームワークで乗り切り、悔いのないダカール活動にしたいです。

※仕事に対して、日野自動車の社員が持つべき価値観や信念を表明したもの。
私たちの「志」=「情熱」「挑戦」「貢献」と、私たちの「実行」=「知恵と改善」「スピード」「チームワーク」で構成されている。

―ダカールラリーを通じて挑戦したいことはありますか?

改造セクションで培った経験・知識・技能を生かして壊れにくい車造り、整備しやすい車造りをし、総合5位以上の順位に挑戦します。

―昨年はダカールラリーの実戦テストであるシルクウェイラリーに参戦しており、一度ラリーの経験はありますが、昨年の経験をどう生かしていきたいですか?

昨年は、初めてラリーに参戦し、動きで迷う部分が多々あり時間をロスしました。今年は昨年の経験を活かして、ラリーという限られた環境の中でチームメンバーが効率的に動けるように、帳票類の新規作成・改訂・周知徹底を行います。

―最後に新メカニック・サブリーダーとしての意気込みを聞かせて頂けますか。

今年、40歳という節目を迎え、自分にとっても挑戦の年だと思います。周りの方に背中を押してもらい、皆さんのおかげでこのような機会を頂けたので、学園・職場そして会社に恩返しができるよう全力で頑張っていきたいと思います! ダカールラリーをご覧になっている皆様、応援宜しくお願い致します!

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